そそのかし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「そそのかし」の意味・わかりやすい解説

そそのかし

違法行為を実行する決意を生ぜしめること。国家公務員法 110条1項 17号,地方公務員法 61条4号は職員同盟罷業怠業などの違法行為をそそのかす行為を独立処罰している。一時最高裁判所は,争議行為違法性の強いものであり,かつそそのかし行為自体も強度の違法性を伴うものでなければならないとして,処罰の範囲を制限していたが,1973年4月 25日の判決 (全農林事件判決) において,構成要件が不明確になるなどの理由で,それらの限定解釈を否定した。

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世界大百科事典(旧版)内のそそのかしの言及

【教唆犯】より

…したがって,過失犯の教唆,過失による教唆を否定するのが通説・判例である。国家公務員法(98条2項,110条17号),地方公務員法(37条1項,61条4号)にいう争議行為の〈そそのかし〉は同義であるが,同法にいう〈あおり〉,破壊活動防止法(38条1項)にいう〈せん動〉などは,教唆より広く精神的幇助(ほうじよ)を含むと解されている。教唆行為は,利益の提供,指示,命令,慫慂(しようよう),哀願などその方法を問わず,また,明示・黙示のいずれであってもよい。…

※「そそのかし」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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