化学辞典 第2版 「ソハイオ法」の解説
ソハイオ法
ソハイオホウ
Sohio process
アメリカのStandard Oil of Ohio社(Sohio社,現Innovene社)が1960年に開発したアクリロニトリルの合成法.モリブデン酸ビスマスまたはリンモリブデン酸ビスマスの流動触媒を用い,プロペンのアンモ酸化反応により一段でアクリロニトリルを生成する.

上記の触媒ではアセトニトリルおよび青酸がかなり副生する欠点があったが,その後,アセトニトリルの副生がほとんどない有効な触媒の開発が各社で行われ,現在では流動層または固定層用の各種金属酸化物を組み合わせた触媒が,プロペンのアンモ酸化に使用されている.なお,ソハイオ法の出現により,従来のアセチレンと青酸からの合成法は,世界的にほとんど行われなくなった.[別用語参照]ソハイオ触媒
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報


ほかにメタンのアンモ酸化によるシアン化水素(青酸)合成も知られている。
このアクリロニトリル合成反応は1960年にスタンダード・オイル・オブ・オハイオ社Standard Oil Co.of Ohioによって最初に工業化されソハイオ法Sohio processと呼ばれ,またこの時に用いられた触媒はモリブデンおよびビスマスの複合酸化物とリンを主要成分とするもので,ソハイオ触媒と呼ばれた。その後,同様の原理を用いながらも触媒系や反応器形式の異なる種々の方法が開発されて現在に至っている。…