ソブレロ(読み)そぶれろ(その他表記)Ascanio Sobrero

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソブレロ」の意味・わかりやすい解説

ソブレロ
そぶれろ
Ascanio Sobrero
(1812―1888)

イタリア化学者。モンフェラトのカゼレに生まれる。パリギーセンの大学においてベルツェリウスリービヒの教えを受け、1849年にチューリン大学の化学教授となり1882年まで在職した。1847年、グリセリン混酸濃硫酸と濃硝酸との混合液)中に静かに注ぐことによりニトログリセリンを得、その強い爆発性をみいだした。その取扱いの不便さと爆発しやすさのために彼は利用を断念したが、のちにノーベルによってダイナマイトとしての利用法が発明され(1866)、土木工業にきわめて大きな貢献をなした。

[川野辺渉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 古川

改訂新版 世界大百科事典 「ソブレロ」の意味・わかりやすい解説

ソブレロ
Ascanio Sobrero
生没年:1812-88

イタリアの化学者。カザレで生まれ,J.J.ベルセリウスやJ.vonリービヒのもとで化学を学び,1849年トリノ工科大学の化学教授となる。1846年グリセリンの硝化によりニトログリセリン(当初ピログリセリンと呼ばれた)を発見した。きわめて高い起爆性をもつことから,彼自身はその工業的製造・利用への道をためらったが,60年代にA.B.ノーベルによりスウェーデン工業化が実現された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソブレロ」の意味・わかりやすい解説

ソブレロ
Sobrero, Ascanio

[生]1812.10.12. カザーレ
[没]1888.5.26. トリノ
イタリアの化学者。 J.ベルセーリウスや J.リービヒのもとで学ぶ。トリノ大学化学教授 (1847) 。 1846年硝酸とグリセリンから,強い爆発力をもつニトログリセリンを合成した。のちに A.B.ノーベルがこれを火薬として工業化した (1862) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む