硝化(読み)ショウカ

デジタル大辞泉 「硝化」の意味・読み・例文・類語

しょう‐か〔セウクワ〕【硝化】

アンモニア微生物によって酸化され、亜硝酸塩硝酸塩変化すること。硝化作用
化合物中にニトロ基を導入する反応

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精選版 日本国語大辞典 「硝化」の意味・読み・例文・類語

しょう‐かセウクヮ【硝化】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 土壌中で、窒素化合物分解によって生じたアンモニアが、栄養菌などの微生物によって酸化され、硝酸亜硝酸に変化する現象
  3. ニトロ基を導入する有機化学反応をいう。硝酸エステルを生成する硝酸エステル化反応、ニトロ化合物およびニトラミンを生成するニトロ化反応など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「硝化」の意味・わかりやすい解説

硝化
しょうか

(1) nitrification 窒素化合物の分解でできたアンモニアが酸化されて亜硝酸塩,さらに硝酸塩に変わる現象。土壌中では広く存在する独立栄養菌(→独立栄養)によりこの変化が起きる。 (2) nitration 有機化学反応で硝酸を用いてニトロ基を導入したり,硝酸エステル化したりする反応の総称(→ニトロ化)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「硝化」の意味・わかりやすい解説

硝化
しょうか
nitration

有機化合物にニトロ基を導入する反応。ニトロ化ともいうが、化学工業方面ではとくに硝化ということのほうが多い。たとえばベンゼンニトロベンゼンとする反応、セルロースグリセリンニトロセルロース硝化綿ともいう)やニトログリセリンとする反応などがそうである。硝酸と硫酸との混合物(一般に混酸という)がもっとも一般的な硝化剤である。

[中原勝儼]

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化学辞典 第2版 「硝化」の解説

硝化
ショウカ
nitrification

アンモニアを酸化して亜硝酸塩,さらに硝酸塩に酸化する生物の行う反応をいう.この反応は,硝化細菌により土壌中で行われるが,アンモニアを亜硝酸塩にするNitrosomonasと亜硝酸塩を硝酸塩にするNitrobacterが段階的に関与する.これらの細菌は,窒素化合物の酸化によって得られるエネルギーを炭酸同化に用いる独立栄養生物であり,無機化合物の酸化によってエネルギーを得ている点で,化学独立栄養生物である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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