ソリブジン

百科事典マイペディア 「ソリブジン」の意味・わかりやすい解説

ソリブジン

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の治療薬の抗ウイルス剤で,商品名はユースビル。1993年9月に日本商事(1998年10月に昭和薬品と合併して新会社名アズウェルに変更)が発売して1ヵ月間で,フルオロウラシルFU)系制癌(がん)薬との併用による副作用で15人が死亡した。 ソリブジンが体内で分解してできるブロモビニルウラシル(BVU)は,FU系制癌薬の分解を妨げる性質がある。このため,ソリブジンを服用すると,大量にFU系制癌薬を服用したのと同じ状態になってしまう。FU系制癌薬は骨髄の働きを抑制する副作用があるため,ソリブジンとの相互作用によって白血球が激減するというメカニズムである。 副作用による死亡がわかる直前に,日本商事の社員らがインサイダー取引で同社株を売り抜けたことも社会問題となった。この薬は発売後1ヵ月で出荷を停止,1997年3月には在庫110万錠が破棄された。 ソリブジン薬害初の民事訴訟として,横浜市の主婦(当時64歳)の遺族が,担当医に約1100万円の損害賠償を求めていたが,1998年3月に横浜地裁で和解が成立した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソリブジン」の意味・わかりやすい解説

ソリブジン

帯状疱疹の治療薬。少量の経口投与で非常に効果があるが,フルオロウラシル系抗癌剤と併用するとその代謝を阻害し,白血球減少による感染症など致死的な副作用を引起す。 1993年9月の発売後,15人の死者を出したため,販売中止となった。

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