最新 地学事典 の解説
タイム・プレディクタブルモデル
time-predictable model
ある震源域にかかる応力が時間とともに一定の割合で増加し,その応力が限界値に達した時に地震が起き,応力がある値に低下するというモデルにおいて,応力の限界値が一定である場合には,前回の地震のすべり量(応力降下量)から,次の地震の発生時期を予測できるため,これをタイム・プレディクタブル(発生時期予測可能)モデルと呼ぶ。このとき,地震後の応力の値や地震のすべり量は一定でなくてもよい。一方,応力の限界値が一定でなく,地震後の応力の値が一定である場合には,前回の地震からの経過時間が与えられると,前回の地震のすべり量から,その時点で発生する地震のすべり量を予測できるため,これをスリップ・プレディクタブル(すべり量予測可能)モデルと呼ぶ。地震が起こる応力の限界値も地震後の応力の値も一定である場合には,固有地震モデルになる。K.Shimazaki et al.(1980)によると,南海トラフの巨大地震,南関東の巨大地震による海岸段丘の形成時期と隆起量,および喜界島の完新世サンゴ礁段丘の離水時期と隆起量はスリップ・プレディクタブルモデルではなくタイム・プレディクタブルモデルに近い。参考文献:K. Shimazaki et al.(1980) Geophys. Res. Lett., 7:279
執筆者:久家 慶子
参照項目:固有地震
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

