デジタル大辞泉 「タイム」の意味・読み・例文・類語
タイム(time)
2 速さを争う運動競技で、所要の時間。記録。「
3 運動競技の試合で、審判が競技を一時中止させること。また、その時間。競技者が要求することもある。「
[類語](1)時間・時・アワー/(3)たんま・待った
翻訳|Time
アメリカのニュース週刊誌。1923年、H・R・ルースとハッデンBriton Hadden(1898―1929)の2人によって創刊されたとき、わずか32ページ、読者は9000人だった。ニュースそのものよりもニュースの解説を主眼とした雑誌であることは今も昔も変わりはない。ニュース雑誌としては、発行部数と広告収入において、つねにナンバーワンを誇ってきた。2010年時点で約400万部、毎週月曜日発行。ルースは『タイム』の成功によって、『フォーチュン』『ライフ』を創刊し、雑誌王国タイム社Time Inc.を築き上げた。『タイム』の記事はかならずしも客観的だったわけではなく、よくも悪くも創刊編集者ルースの考えや意向を反映した。彼はプロテスタントで共和党支持、フリー・エンタープライズ(自由企業)を主張した、使命感に燃える出版人だった。しかしルース亡きあとは、『タイム』は公正とバランスを目ざすようになった。『タイム』もまたほかの雑誌と同じく、アメリカ社会とともに変わってきた。
創刊から現在までに『タイム』が新造したことばは無数にあって、それらは辞典に収載されたものも多い。socialite(名士)、kudos(栄光)、guesstimate(当てずっぽう)、tycoon(政財界の大物)などである。セカンド・ワールド・ウォー(第二次世界大戦)も『タイム』の命名である。また、年末に選ぶマン・オブ・ザ・イヤー(1999年にパーソン・オブ・ザ・イヤーに改称)で、1938年にはヒトラーが、1939年と1942年にはスターリンが表紙を飾っている。1982年に選ばれたのは人間でなくコンピュータだったので話題になった。『タイム』は、読者のみならずジャーナリズム、とくに新聞にも大きな影響を与えてきた。『タイム』の記事は久しく無署名だったが、1971年以降は署名入りである。当時、タイム社は巨大メディア企業タイム・ワーナーTime Warner Inc.の雑誌出版部門を占め、100タイトル以上の雑誌を出版していた。
[常盤新平]
タイム・ワーナーは2001年にインターネット接続サービスのAOLと合併して、AOLタイム・ワーナーAOL Time Warnerとなったが、AOL部門の業績悪化に伴い2003年に社名をタイム・ワーナーに戻した。その後、2014年に雑誌部門の「タイム」はスピンオフ(分離・独立)され、2018年メディア大手のメレディスMeredith Corporationに売却された。さらに雑誌『タイム』は同年末にIT大手のセールスフォース・ドットコムSalesforce.comの最高経営責任者マーク・ベニオフMarc Benioff(1964― )夫妻に売却された。なお、タイム・ワーナーも2016年に大手通信会社AT&Tに買収されている。
[編集部 2018年12月13日]
『金平聖之助著『アメリカの雑誌企業』(1979・出版同人)』▽『常盤新平著『アメリカン・マガジンの世紀』(1986・筑摩書房)』▽『桑名淳二著『データで見るアメリカ雑誌』(2000・アメリカ出版研究会)』▽『デイヴィッド・ハルパースタム著、筑紫哲也・東郷茂彦・斎田一路訳『メディアの権力(3)』(朝日文庫)』▽『Robert Edwin HerzsteinHenry R. Luce ; A Political Portrait of the Man Who Created the American Century(1994, C. Scribner's Sons, New York)』▽『Frederick S. VossFaces of Time ; 75 Years of Time Magazine Cover Portraits(1998, Little, Brown and Company, New York)』
シソ科(APG分類:シソ科)の小低木。南ヨーロッパ原産の香料植物。潮風を受ける乾燥した海岸丘陵地に適し、南ヨーロッパで栽培されている。茎は地をはい、直立した枝は高さ30センチメートルほどで、5~7ミリメートルの披針(ひしん)形の葉を多くつける。夏、枝先に淡紅紫色の小花が群がって開く。葉や若い枝、花などに強い芳香があり、和名をタチジャコウソウ(立麝香草)、またはキダチヒャクリコウ(木立百里香)という。芳香の精油成分はチモール、シメン、ピネン、リナロールなどである。ハーブ(香草)として古くから有名で、食品の香料や防腐剤として、薬品の原料や香料として利用されている。日本へは明治時代に渡来し、観賞用として花壇で栽培されている。
[星川清親 2021年9月17日]
主産地はフランス、スペイン、ポルトガル、ギリシアであるが、アメリカで栽培されているものには葉の細いフレンチタイムと、葉の形のさまざまなレモンタイムがある。葉を乾燥させたものが香辛料として用いられ、芳香が非常に特徴的で、独特の薬味臭と舌をしびれさすような辛味がある。したがって、薬味としてハマグリや魚のチャウダーに用いたり、ソーセージ、肉や食鳥用のグレービーソース、フィッシュソース、フレッシュトマト、リキュールのベネディクティンの風味づけに使われる。ヨーロッパでは、昔からタイムには人間の能力を高める力があるといわれており、勇気と大胆さのシンボルともされ、「あなたはタイムの香りがする」ということばはその人に対する最高の賛辞として用いられた。
[齋藤 浩 2021年9月17日]
アメリカの代表的なニュース雑誌。週刊。1923年3月,ルースHenry Robinson Luce(1898-1967)とハドンBriton Hadden(1898-1929)が創刊。創刊号の予約読者はわずか9000人であったが,現在発行部数は約410万(1996)。《タイム》は海外ニュース,科学,宗教などの報道が的確さと信頼性でとくにすぐれているといわれてきた。創刊者の一人ルースはプロテスタント,共和党,自由競争を支持したが,最近は必ずしも共和党支持ではない。ただし,《ニューズウィーク》とともに東部偏重であることを非難されてきた。北米版,南米版,アジア版,ヨーロッパ版などを発行し,世界的に流通している。なお,ルースはビジネス誌《フォーチュン》やフォト・ジャーナル誌《ライフ》なども創刊した。また,発行元のタイム・ライフ社は,映画会社ワーナー・ブラザースを買収し,タイム・ワーナーと社名を変更していたが,95年にはCNNを傘下に置くターナー・ブロードキャスティング・システムを買収,世界最大級のメディア企業となっている。2000年には,さらにアメリカ・オンライン社を買収,AOLタイム・ワーナー社となった。
執筆者:常盤 新平
イブキジャコウソウに類縁のあるシソ科の株だちとなる小低木。タチジャコウソウ,キダチヒャクリコウ(木立百里香)ともいう。代表的なハーブの一種で,古くからヨーロッパで知られ,とくにフランスなど地中海沿岸地域に多い。日本へは明治になってから渡来した。丈は30cm足らずで,細い枝に5~7mmの小さい葉を密につける。初夏に枝先に淡紅紫色,まれに白色の小花を群がって咲かせ,芳香がある。また若茎や葉も強い芳香をもち,thyme(力)という名前は,香りの強さをあらわすとも,この香りで力が湧くからだともいわれる。芳香の主成分は,チモール,カルバクロール,シメン,ピネン,リナロールなどからなる精油である。生葉をとってそのまま利用するか,あるいは開花期の全草を乾燥して利用する。ソース,シチュー,スープやハム,ソーセージなどに入れて,香りをつける。防腐の効果もあるという。カレーに入れてもよく,肉,魚,貝料理にもよくあう。薬用として鎮咳(ちんがい)の効がある。ふつう春に種をまくが,挿木でもよくふえる。3~5年目ごとに植えかえると収量が上がる。またロックガーデンなどに観賞用に栽植されることもある。
執筆者:星川 清親
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「タチジャコウソウ(立麝香草)」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… イブキジャコウソウ属Thymusは約35種があり,ヨーロッパ,アジア,アフリカに分布する。タチジャコウソウは高さ30cm内外になる草本状低木でヨーロッパに産し,葉にチモールthymol(C10H14O)を含み,香料のタイムを採るために栽培される。【村田 源】。…
…多様な政治意見の表現は,雑誌で行われているとみてよい。《タイム》《ニューズウィーク》などの週刊誌は,中間大衆の〈常識〉を反映するものとして,ある程度日本の全国紙的機能を果たしていた。 一方,20世紀初頭のマックレーカーズ以来,新聞・雑誌が社会的不正の摘発に果たした役割は大きい。…
…そのことについては,何らかの裏取引の可能性を議会で追求されるなどしたが,CNNの国際的影響力の強さをイラクが認知したことは明らかである。 96年9月,親会社であるターナー・ブロードキャスティング・システムは,雑誌の《タイム》などを発行するタイム・ワーナー社によって買収・合併された。これは,同年7月にウォルト・ディズニーによって,アメリカの三大ネットワーク(ABC,CBS,NBC)中最大のキャピタルシティーズ/ABCが買収されたことや,8月のウェスティングハウス・エレクトリック社によるCBSの買収・合併に対応した動きである。…
※「タイム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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