喜界島(読み)きかいじま

日本大百科全書(ニッポニカ)「喜界島」の解説

喜界島
きかいじま

鹿児島県奄美(あまみ)大島の東約25キロメートルにある奄美諸島の一つ。面積56.82平方キロメートル、最高点は七鼻(しちとうばな)の211.96メートルで、扁平な島である。大島郡喜界町に属し1島1町。島軸は北東―南西に延び約13キロメートルある。島には数段の隆起サンゴ礁が段丘地形をなし、海岸部は四周を裾礁(きょしょう)で縁どられ特異な景観を呈す。島の中央部に広がる百之台(ひゃくのだい)(隆起サンゴ礁の高台地)、西部の荒木海岸、北東部の海岸(トンビ崎海岸、志戸桶(しどおけ)海岸)などが奄美群島国立公園に指定されている。亜熱帯性の気候で、年中暖かく、ガジュマル、アダンなど多種の熱帯植物が茂る。地形が低平なため、奄美大島と比べて降水量が少なく、水は乏しい。農業はサトウキビ栽培が中心である。そのほか、島内の広い砂地を利用したスイカの栽培も行われるようになった。大島紬(つむぎ)や自然景観を利用した観光などが主要な産業である。住民登録人口6976(2019)、2015年の国勢調査では7212人。

[塚田公彦 2019年5月21日]

民俗

奄美諸島の民俗は一面沖縄に類似し、他面本土と一致するが、喜界島もその傾向が著しい。民間信仰の面で、シマ(集落)の祭りをノロ(祝女)が主宰し、卜占(ぼくせん)や霊媒にユタ(巫女(ふじょ))が活躍したことなど沖縄と等しい。しかし旧6月氏神の夏祭を六月灯(ろくがつどう)というのは各戸から子供の献灯があったからで、これは南九州との一致を示している。8月にはシチウンミ(節折目)からシバサシ、ドンガに至る三度の大祭が催され、盛んな八月踊りがみられることは奄美大島と同じである。しかし9月のトンニャーとよばれる行事は豊作占いの意味といわれるが、喜界島独自のものである。また源為朝(ためとも)や平家落人(おちゅうど)の伝説が島内各地にとどめられ、この島もかつて南島交通の要路にあったことを物語っている。

[竹田 旦]

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百科事典マイペディア「喜界島」の解説

喜界島【きかいしま】

奄美諸島(2010年3月より奄美群島)の北東部,奄美大島東方約25kmに位置する島。古くは鬼界・奇界などとも記された。低平な台地状の島で,周囲はサンゴ礁原で囲まれる。鹿児島県喜界町をなし,面積56.76km2源為朝(ためとも)や平家の落人伝承がある。島北端部の七(なな)城跡は平資盛(すけもり)が13世紀はじめに築城したとも,15世紀後半に琉球尚徳王が築いたともいう。琉球王国の時代には志戸桶間切の大城大屋子職を補任する辞令書が発給され,東間切のノロ職を任じた辞令書も残る。1609年島津氏の琉球侵攻により,鹿児島藩直轄領となる。島内は6つの間切(まぎり)に分かれていた。1879年大島郡に所属。近世以来のサトウキビ栽培を中心とする農業が基幹産業。フェリーにより奄美大島・鹿児島方面と結ばれ,喜界空港もある。
→関連項目喜界[町]薩南諸島南西諸島

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「喜界島」の解説

喜界島
きかいしま

鹿児島県南部,奄美大島の東方約 25kmの海上にあり,琉球弧(→琉球列島)の最外縁をなす島。奄美群島で 4番目に大きい面積をもち,最高点は 224mの百之台(ひゃくのだい)。台地の面積が広く低平な島で,周辺は隆起サンゴ礁に囲まれ特有の景観を示す。赤連,湾などの集落が台地の周囲を取り巻くように散在している。1島で喜界町を構成する。島の北岸西岸,南東岸は景勝地が多く,奄美群島国立公園に属する。面積 56.87km2,人口 9041 (2000) 。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション「喜界島」の解説

きかいじま【喜界島】

鹿児島の黒糖焼酎。酒名は、がある喜界島にちなみ命名。島の天然水を用いて常圧蒸留で造る。原料黒糖、米。アルコール度数20%、25%、30%。蔵元の「喜界島酒造」は大正5年(1916)創業所在地は大島郡喜界町大字赤連。

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精選版 日本国語大辞典「喜界島」の解説

きかい‐じま【喜界島】

鹿児島県、奄美大島東方にある島。全島で喜界町を形成する。大部分が隆起サンゴ礁からなり、海岸には裾礁(きょしょう)が発達。サトウキビの栽培を主とする。

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世界大百科事典 第2版「喜界島」の解説

きかいしま【喜界島】

鹿児島県奄美大島の東方海上約25kmにある島。周囲48.6km,面積55.7km2,人口9268(1995)。1島で大島郡喜界町をなす。隆起サンゴ礁からなる低平な台地状の島で,最高所も224mに過ぎない。台地上は水に乏しいので集落は海岸近い急崖下に集まっている。気候は亜熱帯的で,全島にガジュマル,ソテツ,アダンなどが自生し,海岸にはサンゴ礁が発達する。古くから大和朝廷と交流があり,源為朝や僧俊寛が来島したと伝えられ,俊寛のものというもある。

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世界大百科事典内の喜界島の言及

【沖言葉】より

…海上はこの世とは別の世界であるという意識から,言葉も日常とは異なったものを用いるのであろう。鹿児島県の喜界島には,サワラ・カツオの魚をはじめ,やす・包丁・網等の漁具,風・雲・塩・水・きせるといった気象や身近なものまで特別な言葉でいい表す風習が伝えられていた。忌言葉【大嶋 善孝】。…

※「喜界島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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