ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイムール」の意味・わかりやすい解説
タイムール
Taymūr, Maḥmūd
[没]1973
エジプトの小説家。有名なトルコ系の学者アフマド・タイムールを父としてカイロで生れた。早逝した兄ムハンマド・タイムールの遺志を継ぎ,社会の下層に沈んでいるカイロの民衆の生活を描写した短編を多く書き,アラビア語近代文学における短編小説のジャンルを大成。モーパッサン,A.チェーホフ,P.ブールジェなどの影響を受けながら独自の境地を開いた。『首長ジュムア』 al-Shaikh Jum`ah (1925) ,『ミトワルリー叔父』 Amm Mitwallī (25) ,『愚か者のシャイフ・サイイッド』 al-Shaikh Sayyid al-`Abīt (25) ほか多数の名作があり,戯曲にも数作がある。 1950年アラビア語アカデミー会員。
タイムール
Taymūr, Muḥammad
[没]1921
エジプトの小説家。マフムード・タイムールの兄。有名なトルコ系の学者アフマド・タイムールを父としてカイロで生れ,フランスに留学。 G.モーパッサンの影響を強く受け,帰国後,エジプトにおける短編小説の先駆者となり,また演劇の開拓者として自作自演したが早逝。『ムハンマド・タイムール作品集』 Mu`allafāt Muḥammad Taymūrなどの遺著がある。
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