タッターの文化財(読み)タッターのぶんかざい

世界遺産詳解 「タッターの文化財」の解説

タッターのぶんかざい【タッターの文化財】

1981年に登録された世界遺産(文化遺産)で、パキスタン南部、カラチの東約95kmのシンド州にある。タッターは、インダス川のデルタ地帯にあるシンド地方を支配したサンマー朝、アルグン朝、タルハーン朝の首都として栄えた古都。ムガル帝国支配下においても港湾都市として栄えて、14~18世紀に隆盛をきわめたが、インダス川が流れを変えたため衰退に向かい、18世紀半ばにペルシアの攻撃を受けて滅亡した。タッター市内には、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンの命で14年の歳月をかけて造営された、青いタイルが象徴的なジャーミ・マスジド(金曜モスク)があり、3つの大ドームと90の小ドーム群が並ぶ。近郊のマクリの丘には、100万に及ぶ墳墓が残るイスラム世界最大級の墓地がある。ペルシア式の優美なモスクとイスラム墓地などが歴史的に価値ある建造物と評価され、世界遺産に登録された。◇英名はHistorical Monuments at Makli, Thatta

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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