日本大百科全書(ニッポニカ) 「タンジン」の意味・わかりやすい解説 タンジンたんじん / 丹参[学] Salvia miltiorrhiza Bunge シソ科(APG分類:シソ科)の多年草。中国に広く分布し、日本ではまれに栽植される。茎は直立し、高さ40~80センチメートル、四角形で全株に長い軟毛と腺毛(せんもう)を密生する。葉は対生し、奇数羽状複葉。小葉は1~3対で、頂端の小葉がもっとも大きい。5月から8月にかけて、茎の上部に青紫色の唇形花を数段に輪生する。花冠は長さ約2.5センチメートルで、上唇と下唇に深く分かれている。根は太くて長い円柱状で、外面は朱紅色、内部は白色である。[長沢元夫 2021年9月17日]薬用中国では根を丹参とよび、活血、鎮痛、鎮静、消腫(しょうしゅ)剤として、月経不順、産後の腹痛、不眠症、関節痛、急性肝炎などの治療に用いる。これまでは婦人の要薬とされてきたが、最近になって、冠動脈粥様(しゅくよう)硬化性の心臓病に用いると、心臓の絞痛発作を軽減する作用のあることがわかってきた。[長沢元夫 2021年9月17日] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例