ダルス(その他表記)dulse
dillisk
Palmaria palmata (L.) O.Kuntze(=Rhodymenia palmata (L.) Greville)

改訂新版 世界大百科事典 「ダルス」の意味・わかりやすい解説

ダルス
dulse
dillisk
Palmaria palmata (L.) O.Kuntze(=Rhodymenia palmata (L.) Greville)

世界各地の寒流域の潮間帯から低潮線下の岩上に生育する紅藻綱ダルス目ダルス科の海藻で,体は葉状,高さ15~50cm,幅2~5cmになる。体形は変化が著しく,単一葉状,叉(さ)状または叉状に近い分岐を多数もつなど,いろいろである。天然では雄性の配偶体と無性の四分胞子体のみが見られ,長い間生活史が不明であったが,1980年に雌性の配偶体がわずかに約1mmの微小な匍匐(ほふく)体で存在することが明らかとなった。

 北ヨーロッパやカナダ大西洋岸などでは,採集後乾燥して保存し,後に水洗してバターをつけ,ジャガイモや魚肉などといっしょに食べる。乾燥品はマーケットで市販される。日本では食用にしていない。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダルス」の意味・わかりやすい解説

ダルス
Rhodymenia palmata; dulse

紅藻類ダルス目ダルス科の海藻。潮間帯の下部からさらに深い岩上に生じる。形はきわめて変化に富むが,葉状,薄い膜質で,単条もしくは不規則に叉状分岐する。古いものでは厚くなり革質になることもある。この海藻はアイルランドスコットランドでは食用にされている。日本の北海道および太平洋岸北部,サハリン千島,アメリカ西岸,オーストラリアポリネシアに分布し,大西洋にも生育する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android