チェチェン紛争(読み)チェチェンふんそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェチェン紛争」の意味・わかりやすい解説

チェチェン紛争
チェチェンふんそう

ロシアからの分離独立を目指すチェチェン共和国とロシアとの間で,1994年から2度にわたり戦われた民族紛争チェチェンの主要民族であるチェチェン人は独立志向が強く,帝政ロシア時代から自治と独立を求め戦ってきた。ソビエト連邦崩壊直前の 1991年 11月,チェチェン大統領に選出されてまもないジョハル・ドゥダエフがロシア共和国からの分離独立を宣言。ロシアはチェチェン国内の反ドゥダエフ武装勢力を支援して独立を阻止しようとしたが,果たせなかった。 1994年 12月 11日,ロシア軍がチェチェンに侵攻し,第1次チェチェン紛争が勃発した。ロシア軍は 1995年3月首都グロズヌイを制圧したが,チェチェン側はゲリラ戦による抵抗を続けた。 1997年5月チェチェンとロシアは暫定平和条約に調印し,ロシア軍はチェチェンから撤退した。独立問題は5年間凍結されることになり,チェチェン側はこれを独立容認と解釈した。 1999年8月,チェチェン武装勢力が隣国ダゲスタン共和国を攻撃したことから,ロシア軍が再びチェチェンに侵攻,第2次チェチェン紛争が始まった。チェチェン側は再びゲリラ戦で応じると同時に,ロシア国内で爆弾テロなどを行なった。2度の紛争による死者は 10万人をこえた。

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