改訂新版 世界大百科事典 「チシマアマナ」の意味・わかりやすい解説
チシマアマナ
mountain-spiderwort
Lloydia serotina (L.) Reichenb.
高山の岩場に生えるユリ科の多年草。花がかれんなためにしばしば山草として栽培されるが,平地で開花させることは難しい。花茎は高さ5~15cm。通常4枚の苞葉がある。根出葉は通常2枚で,長さ7~20cm,幅約1mm。地下には円柱状の鱗茎がある。花は7月に咲き,花被片は白色で外側に紫色の条がある。果実は蒴果(さくか)で,長さ8~9mm。3室で,1室に通常6個の赤褐色の種子をつける。北半球の寒冷な地域や高山に広く分布し,日本では中部以北に分布する。チシマアマナ属はアルプス,地中海地方,東アジア,北アメリカに約18種が知られる。
執筆者:矢原 徹一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報