ロシアの農業経済学者。商人の子としてモスクワで生まれ,ペトロフスコエ農科大学に学び,1913年同大学農業経済学科の主任教授となる。17年の革命当時は臨時政府の農務次官であり,18年農業協同組合中央会議議長,20年にはチミリャーゼフ農科大学農業経済研究所所長に任命されたが,20年代後半にスターリンによる粛清の嵐のなか,反革命のかどで追放された。その後の消息は不明(1939年に死亡したともいわれる)。その《小農経済の原理》(1911-12,ドイツ語による増補改訂版1923)は,19世紀末以来の40年にわたるゼムストボ(地方自治体)統計資料を整理して,小農的家族労作経営を基調とするロシア農業の実態を分析し,主体均衡論に基づく農業経済理論を確立した。ドイツ語版により広く外国で知られ,日本でも今日まで大学で農業経済学のテキストとして読まれている。
執筆者:相川 哲夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ロシアの農業経済学者。ペトロフスク農科大学を卒業後、同大学の農業経済学科の主任教授となる。1917年のロシア革命当時、臨時政府の農務次官や農業組合中央評議会議長となったが、20年代末スターリンの粛清を受け反革命のかどで逮捕され、39年ごろ死亡したといわれる。23年に『小農経済の原理』を刊行し、小農経済の家族経済的特徴や消費を目的とする性質などをロシア農業についての実態分析のなかで明らかにした。彼の研究は、日本をはじめ他国における小農経済の研究にも大きな影響を与えている。
[藤田勝次郎]
『磯辺秀俊・杉野忠夫訳『小農経済の原理』増訂版(1957・大明堂)』
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加