日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャヤーノフ」の意味・わかりやすい解説
チャヤーノフ
ちゃやーのふ
Александр Васильевич Чаянов/Aleksandr Vasil'evich Chayanov
(1888―1939?)
ロシアの農業経済学者。ペトロフスク農科大学を卒業後、同大学の農業経済学科の主任教授となる。1917年のロシア革命当時、臨時政府の農務次官や農業組合中央評議会議長となったが、20年代末スターリンの粛清を受け反革命のかどで逮捕され、39年ごろ死亡したといわれる。23年に『小農経済の原理』を刊行し、小農経済の家族経済的特徴や消費を目的とする性質などをロシア農業についての実態分析のなかで明らかにした。彼の研究は、日本をはじめ他国における小農経済の研究にも大きな影響を与えている。
[藤田勝次郎]
『磯辺秀俊・杉野忠夫訳『小農経済の原理』増訂版(1957・大明堂)』