チュルタイオス(読み)ちゅるたいおす(その他表記)Tyrtaios

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チュルタイオス」の意味・わかりやすい解説

チュルタイオス
ちゅるたいおす
Tyrtaios

生没年不詳。古代ギリシアの叙情詩人。紀元前7世紀の後半にスパルタで活躍した。生まれはアテナイアテネ)ともいわれている。第二次メッセニア戦争のころで、スパルタにとってはきわめて困難な時代であった。詩人は、叙事詩ことばを用いながら、祖国を守る戦士・市民としての義務とその栄誉を歌い、市民の徳(アレテ)を、祖国のために勇敢に戦うことと考えた。スパルタ人の生活信条の代表者と評され、死後も長い間その詩は愛誦(あいしょう)された。

[橋本隆夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チュルタイオス」の意味・わかりやすい解説

チュルタイオス
Tyrtaios

前7世紀中頃のギリシアのエレゲイア詩人。第2次メッセニア戦争におけるスパルタの精神的指導者軍歌によって兵士らを励まし,また徳と勇気,平和と秩序を称揚した。作品はヘレニズム時代,5巻に編集されたが,断片しか伝わらない。

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