日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョウチンノウゼン」の意味・わかりやすい解説
チョウチンノウゼン
ちょうちんのうぜん
[学] Eccremocarpus scaber Ruiz et Pav.
ノウゼンカズラ科(APG分類:ノウゼンカズラ科)の半耐寒性常緑藤本(とうほん)(つる植物)。チリ原産。一般には学名のエクレモカルプスの名でよばれる。茎は4~5メートルに達し、角張って凹凸がある。葉は互生し、2回羽状複葉で、小葉は卵形で長さ3センチメートル、鋸歯(きょし)があるかまたは全縁。7~8月、長さ15センチメートルほどの総状花序に多数の花をつける。花は長さ2.5センチメートルの膨らんだ筒状花で、緋赤(ひせき)から濃橙(のうとう)赤色。ほかに澄んだ黄色花のアウレウス種、紅色花のカルミネウス種、緋紅色花のコッキネウス種などの変種がある。暖地では戸外で越冬し、壁面や四つ目垣、ポールなどの被覆植物として利用される。
[植村猶行 2021年10月20日]