改訂新版 世界大百科事典 「チョガザンビル」の意味・わかりやすい解説
チョガ・ザンビル
Choga Zanbil
イラン南西部,スーサの南東40kmにあり,西アジア最大のジッグラトが中心に位置するエラムの都市遺跡。前13世紀中葉にエラム王ウンタシュガルUntash-Galが建設したドゥル・ウンタシュDur-Untashである。R.ギルシュマンが1951-62年に本格的な発掘を行った。ジッグラトは1辺105mで四隅が四方に向き,現高の28mから5層,52.6mの高さに復原できると,このジッグラトは底辺の四側を200エラム・キュービット,高さを100エラム・キュービットで建設していたことになるといわれる。近接していくつかの神殿があり,囲壁をめぐらし,その外側にも神殿をつくって,470m×380mの城壁に囲まれた聖域を構成する。外の城壁は不整長方形で1250m×850m,北東に門を設け,その付近に宮殿と墓がある。大きな建造物の下に5墓室あって長方形の地下墓を設け,火葬によって葬られていた。王が埋葬された可能性が強い。聖域,宮殿,城壁だけが完成されたが,ウンタシュガル王の死後,居住区や商業区の建設は中断したままで,前640年ころアッシリアのアッシュールバニパルによって破壊された。
執筆者:小野山 節
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報