日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツリガネカズラ」の意味・わかりやすい解説
ツリガネカズラ
つりがねかずら / 釣鐘葛
cross-vine
[学] Bignonia capreolata L.
ノウゼンカズラ科(APG分類:ノウゼンカズラ科)の常緑藤本(とうほん)(つる植物)。ほかの木につき、高くよじ登る。葉は2小葉があり、長楕円(ちょうだえん)状卵形で長さ5~15センチメートル、先はとがり、基部は心臓形、全縁で毛はない。巻きひげは頂端の小葉が変わったものである。5~6月、集散花序をつくり、赤橙(せきとう)色で内部が淡色の花を2~5個開く。花冠は漏斗(ろうと)状で長さ4~5センチメートル。果実は扁平(へんぺい)な蒴果(さくか)で長さ10~17センチメートル、種子に広い翼がある。北アメリカ南東部原産。日当りのよい肥沃(ひよく)地でよく育つ。繁殖は実生(みしょう)、挿木による。名は釣鐘状の花をつけるつる植物の意。
[小林義雄 2021年10月20日]