テトラメチルシラン

化学辞典 第2版 「テトラメチルシラン」の解説

テトラメチルシラン
テトラメチルシラン
tetramethylsilane

C4H12Si(88.23).(CH3)4Si.略称TMS.反応活性な官能基を含まないもっとも簡単な有機ケイ素化合物.実験室的合成法の一つは,乾燥したジブチルエーテル中で調整した臭化メチルマグネシウムに,クロロトリメチルシランまたは四塩化ケイ素を加える.生成したテトラメチルシランを充填塔を用いて2回精留精製する.無色の揮発性液体.融点-99.0 ℃,沸点26.54 ℃.0.6480.1.3591.水に不溶.石油臭がある.1H NMRスペクトル測定に化学シフトの内部基準物質として用いられ,TMSのシグナルは,化学シフトのδ値で0.000 ppm(四塩化炭素溶液)と決められている.[CAS 75-76-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「テトラメチルシラン」の意味・わかりやすい解説

テトラメチルシラン
tetramethylsilane

化学式(CH34Si。TMSと略称。無色揮発性の液体で沸点26~27℃。化学的にきわめて安定で,濃硫酸,濃アルカリにも分解されない。1Hおよび13C核の化学シフトが溶媒効果(液相反応において,溶媒が反応速度平衡に及ぼす効果)を受けにくく,また他の化合物1Hおよび13C核の化学シフトより著しく高磁場で重なることが少ない。TMSを核磁気共鳴試料溶液に少量加えて内部基準とし,ppm単位で表した化学シフトをδ値という。
核磁気共鳴
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