デジタル大辞泉
「ては」の意味・読み・例文・類語
て‐は
[連語]《接続助詞「て」+係助詞「は」。上に付く語によっては「では」とも》
1 危惧・不都合などの感情をもたらす条件を仮定して示す。…たら。「けが人が出ては大変だ」「死んではなんにもならない」
2 反駁・感心などの強い感情をもたらす原因となる条件を示す。…たからには。「そこまで言われては黙っていられない」「これだけやっつけられては反論する気も起きない」
3 二つの動作・作用などが対になって繰り返される意を表す。「幼い頃は電車を見ては喜んでいた」「姉はいつも洋服を脱いでは着て楽しんでいる」
4 その条件のもとでは必ず、または常に同じ結果になる場合の、その条件を示す。「慢心していては勝てない」「せいては事を仕損じる」「遊んではよい成果が得られない」
5 (「…てはみる」の形で)よい結果が期待できない、あるいは自信がもてない状況のもとで、あることを行う意を表す。「考えてはみるよ」「修理してはみるけれど完全に直るかどうか」
6 (多く「…てはどうか」の形で)ある事柄をするよう勧める意を表す。「書いてみてはどうだろう」
[補説]うちとけた会話では「ちゃ」「じゃ」「ちゃあ」「じゃあ」となることもある。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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て‐は
- ( 接続助詞「て」に係助詞「は」が付いたもの。上に来る語によって「では」とも。現在では「て(で)わ」と読んでいる ) 「て」および「は」の用法に応じて、いろいろな意となる。
- ① ある状態や動きが生ずる前提となる事情を示す。…の事情のもとでは。…した以上は。
- [初出の実例]「起きもせず寝もせで夜を明かしては春の物とてながめ暮らしつ」(出典:伊勢物語(10C前)二)
- 「この世にうまれては願はしかるべき事こそ多かめれ」(出典:徒然草(1331頃)一)
- ② 下に打消、または逆接の表現をともない、否定的事情を導き出す条件を示す。
- [初出の実例]「えけしきばみては言はで」(出典:平中物語(965頃)二九)
- 「怪我があってはならぬ」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
- ③ 仮定の意を表わす。…たならば、…たら。
- [初出の実例]「このたびいきては、又は来じと思へるけしきなれば」(出典:伊勢物語(10C前)三三)
- 「てめへなんぞとくらべてはとうしみに釣り鐘だ」(出典:洒落本・美地の蛎殻(1779))
- ④ 条件に対して常に同じ結果が生ずる事を表わす。…と。
- [初出の実例]「鹿の縁のもとまで来てうちないたる。ちかうてはなつかしからぬものの声なり」(出典:更級日記(1059頃))
- 「智恵出でては偽あり」(出典:徒然草(1331頃)三八)
- ⑤ 対応する動作、事象が反復して起こることを表わす。
- [初出の実例]「生絲のいとを長うむすびて、一つむすびては、ゆひゆひしてひきたてたれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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