デーホスピタル(英語表記)day hospital

翻訳|day hospital

デジタル大辞泉 「デーホスピタル」の意味・読み・例文・類語

デー‐ホスピタル(day hospital)

デイホスピタル

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「デーホスピタル」の意味・わかりやすい解説

デー・ホスピタル
day hospital

精神障害者の治療の一形態で,入院治療と外来治療の中間に位置づけされる治療施設のこと。昼間病院と訳される。入院治療のように24時間の保護の必要はなく,また,外来治療のような短時間では治療効果の不十分な患者のために用意される。すなわち,昼間,病院において6~8時間の医療(薬物療法や作業療法)を受け,夜は自宅で家族といっしょに過ごす。主として入院生活から地域社会への移行段階でのリハビリテーションの方法として考えられた。ソ連ハリコフで1927年に始められたが,今日行われている形態はロンドンでビエラJ.Biererが,モントリオールでキャメロンD.E.Cameronが別個に始めた。デー・ホスピタルという名称は37年ソ連のザガロフM.A.Dzhagarovによるといわれている。その形はI型からV型まであるが,総合病院や精神病院内に設置されているもの(デー・ケア型)と,完全に独立して運営されるもの(デー・ホスピタル型)に分かれている。治療内容は,一般精神病院とほとんど同じであるが,個人ないし集団精神療法,作業療法,電気治療,薬物療法が行われる。1日の出席人員はおおよそ20~50人くらいである。スタッフ医師看護者作業療法士,ソーシャル・ワーカー,心理技術者などが関与する。日本でも,74年1月厚生省告示によって施設基準が定められ,この基準に合う場合には診療報酬を受けることができるようになった。
中間施設 →ナイト・ホスピタル
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のデーホスピタルの言及

【中間施設】より

…そのために再び犯罪を犯したり,病気の再発や悪化をまねくことが多い。そこで刑務所や精神病院ほどには管理的でない環境で,一定期間または一日のうち数時間を過ごすことで,一般の社会生活に適応できるような訓練を行う施設として第2次大戦前から保護作業場やデー・ホスピタルなどが設けられていた。同様な施設に1953年にカナダのモントリオールに初めてつくられたナイト・ホスピタルがあり,これも各国で設けられた。…

【病院】より

…また,日本は世界屈指の病院保有国になったとはいえ,そのほとんどが,可能な限り重装備をもって診療にあたろうとしており,軽症であって,とくに濃度の高い医療を必要とせず,さりとて家庭に帰って日常生活を営むには困難や問題がある患者を収容する,いわゆる中間施設がほとんどないというのも特徴の一つである。看護療養を主体にするナーシング・ホーム,昼だけ入院させるデー・ホスピタル(デー・ケア病院ともいう),夜だけ入院させるナイト・ホスピタル(ナイト病院)などは,日本ではほとんどみられない。かなり厚い看護体制の必要な特別養護老人ホームは,近年かなり日本各地に設立されている。…

※「デーホスピタル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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