トゥルチャ(その他表記)Tulcea

デジタル大辞泉 「トゥルチャ」の意味・読み・例文・類語

トゥルチャ(Tulcea)

ルーマニア東部の都市ドナウ川河口部の分流トゥルチャ川に面する。紀元前1世紀に古代ギリシャの植民都市が建設され、続いて古代ローマ帝国東ローマ帝国ブルガリア帝国ジェノバ共和国支配下に置かれた。古くからドナウ川と黒海を結ぶ水運要衝であり、オスマン帝国時代も貿易港として栄えた。1991年に世界遺産(自然遺産)に登録されたドナウデルタの玄関口に位置し、観光拠点の一つとして知られる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥルチャ」の意味・わかりやすい解説

トゥルチヤ
Tulcea

ルーマニアの東端,トゥルチヤ県 (面積 8430km2。人口 27万 200〈1992推計〉) の県都。前6世紀頃にギリシアの植民都市として建設された。ウクライナとの国境付近,ドナウ川が3つに分流する地点の近くにあり,デルタ地帯の漁業,観光の中心地。水運の要地。第2次世界大戦後,魚類缶詰を中心とする食品工業が発展した。人口9万 7500 (1992推計) 。

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世界大百科事典(旧版)内のトゥルチャの言及

【ドブロジャ】より

…気候はおおむね乾燥した大陸性気候であるが,黒海沿岸にはわずかながら地中海式気候の影響もみられる。現在は農業が主要産業ではあるが,港市コンスタンツァのほかにメドジディアMedgidia(金属・セメント工業),トゥルチャTulcea(漁港,魚加工業)のような工業都市も発達している。また近代的なホテルのたちならぶ海岸の観光諸都市には外国人旅行者の姿も数多くみられるが,このような景観が生まれたのは比較的新しいことである。…

※「トゥルチャ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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