トランス脱離(読み)トランスダツリ

化学辞典 第2版 「トランス脱離」の解説

トランス脱離
トランスダツリ
trans elimination

アンチ(anti)脱離ともいう.脱離反応により二重結合が形成されるとき,脱離する二つ原子または原子団が互いにトランス配座関係にある場合をいう.E2脱離反応では,トランス脱離が二重結合のπ電子系を形成するのにもっとも都合よく,この立体化学による脱離が優先する.

これに対し,脱離する二つの原子または原子団が重なり形配座になる場合(シンペリプラナー,synperiplanar)を,シス脱離あるいはシン(syn)脱離という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のトランス脱離の言及

【有機化学反応】より

…プロトン引抜きと脱離基の脱離が同時に進行するのが二分子求核脱離(式(24)),脱離基の脱離が先行し,カルボカチオンが中間生成するのが一分子求核脱離(式(25))である。一般に引き抜かれる水素と脱離基とがトランス配座をとるとき,脱離は容易に進行する(トランス脱離)。
【ラジカル反応】
 ラジカル反応もイオン反応と同様,反応の形式に応じて置換,付加などの区別を行うことができる。…

※「トランス脱離」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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