トリニトロベンゼン(読み)とりにとろべんぜん(英語表記)trinitrobenzene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリニトロベンゼン」の意味・わかりやすい解説

トリニトロベンゼン
とりにとろべんぜん
trinitrobenzene

芳香族ニトロ化合物一つ。正しくは1,3,5-トリニトロベンゼン(略称TNB)。これ以外に、1,2,3-トリニトロベンゼンと1,2,4-トリニトロベンゼンの二つ異性体が存在するが重要でない。白色結晶。TNTトリニトロトルエン)を酸化して得た2,4,6-トリニトロ安息香酸の脱炭酸反応により合成する。水に溶けず、エタノールエーテルに溶ける。徐々に加熱すると昇華するが、急激に加熱すると爆発する。爆薬ではあるが、合成しにくいため広くは用いられない。

[谷利陸平]


トリニトロベンゼン(データノート)
とりにとろべんぜんでーたのーと

トリニトロベンゼン
1,3,5-トリニトロベンゼン

 分子式 C6H3N3O6
 分子量 213.1
 融点  123.5℃
 沸点  175℃/2mmHg
 溶解度 1.9g/100g(エタノール)
 爆発熱 1065cal/kg

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例