化学辞典 第2版 「トリメチルシリル化」の解説
トリメチルシリル化
トリメチルシリルカ
trimethylsilylation
TMS化,シリル化ともいう.ヒドロキシ基,アミノ基,カルボキシル基などの親水性基をもつ化合物をTMS化すると,いちじるしく揮発性が高められるので,ガスクロマトグラフィーの分析に広く用いられている.TMS化は,ピリジン,アセトニトリルなどの溶媒中,市販のTMS化剤(クロロトリメチルシラン,ヘキサメチルジシラザン,N-トリメチルシリルイミダゾール,N,O-ビストリメチルシリルアセトアミドなど)と加熱(50~100 ℃)することにより,ほぼ定量的に行われる.生成したTMS化合物は無水の条件下で安定であるが,加水分解により容易にもとの化合物に戻るので,親水性基の一時的な保護にも利用される.糖質,アミノ酸,有機酸,核酸成分,ステロイド,胆汁酸などの分析に応用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報