ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドゥル・ルンマ」の意味・わかりやすい解説
ドゥル・ルンマ
Dhu al-Rummah
[没]735
アラビア生れの詩人。本名ガイラーン Ghaylān ibn Uqba。ドゥル・ルンマは「紐をつけている人」という意味のあだ名で,首に小さな護符を付けた紐を掛けていたところから起った。 696年頃に生れたという説もあるが確実ではない。中央アラビアの由緒ある家系に生れ,古代アラビアの遊牧詩人たちの作品や典雅なアラビア語に精通した。のちバスラやクーファ,ことに前地で活動。ファラズダクとジャリールとの詩争いでは,前者の味方であった。自身も多数の詩をつくった。9世紀末に後人が集めた彼の詩集には完全なもの 87編,断片的のもの 149編が収めてある。
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