ナガオオメハタ(読み)ながおおめはた(その他表記)splendid seabass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナガオオメハタ」の意味・わかりやすい解説

ナガオオメハタ
ながおおめはた / 長大目羽太
splendid seabass
[学] Malakichthys elegans

硬骨魚綱スズキ目ホタルジャコ科に属する海水魚。相模湾(さがみわん)から日向灘(ひゅうがなだ)の太平洋岸、沖縄舟状海盆(しゅうじょうかいぼん)(トラフ)、東シナ海、済州島(さいしゅうとう)、南シナ海北部、スマトラ島東岸、アラフラ海、オーストラリア北西岸などに分布する。体はやや長い楕円(だえん)形で側扁(そくへん)し、体高は低くて体長の31~34%。目は大きく、吻長(ふんちょう)よりも大きい。口も大きく、上顎(じょうがく)の後端は目の前縁下を越える。下顎の先端に下向きの1対(つい)の鋭い突起がある。下顎は上顎より突出する。上下両顎歯は絨毛(じゅうもう)状で、鋤骨(じょこつ)(頭蓋(とうがい)床の最前端にある骨)は三角形状の歯帯を形成する。口蓋骨歯は1~2列に並ぶ。前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)の腹縁に小鋸歯(きょし)があり、主鰓蓋骨には2本の弱い棘(きょく)がある。背びれは棘部と軟条部の間に深い欠刻(切れ込み)がある。臀(しり)びれの最長軟条長は臀びれの基底長よりも長い。体は弱い櫛鱗(しつりん)で覆われ、側線有孔鱗数は48~51枚。腹びれ棘の前縁は滑らかである。肛門(こうもん)は腹びれ始部よりも臀びれの始部近くに位置する。体色は背方が淡黄褐色で、腹方は銀白色を帯びる。背びれ棘部の縁辺は黒い。水深150~500メートルの大陸棚縁辺から斜面に群れで生息し、小形の甲殻類を食べる。底引網で多量に漁獲され、煮つけ、塩焼きなどにする。小形のものは練り製品原料にされる。1984年、科名は旧スズキ科Percichthyidaeから変更された。最大体長は約20センチメートルになる。

 近縁種ワキヤハタオオメハタなどがいるが、本種は臀びれ長がその基底長よりも長いことでワキヤハタと、体高が低く、側線有孔鱗数がやや多いことなどでオオメハタと区別できる。

[尼岡邦夫 2022年12月12日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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