日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニガーシード」の意味・わかりやすい解説
ニガーシード
にがーしーど
Niger seed
[学] Guizotia abyssinica Cass.
キク科(APG分類:キク科)の一年草。アビシニアなど熱帯アフリカ地域原産。ヌグ、ニゲルともよばれる。和名はキバナタカサブロウ。草丈は1~1.5メートル。よく分枝して茂り、基部の葉は長さ30センチメートルほどで、両面に毛が密生する。秋にコスモス型の直径2.5センチメートルほどの黄色花が多数開く。種子は黒色で光沢があり、長さ5ミリメートル。種子には38~50%の油を含み、絞るとニガーシード油がとれる。油はリノール酸50%、オレイン酸40%の乾性油で、黄色を呈し、香りや味は乏しいが精製すると高級食用油となり、口あたりがよい。アフリカやインドで古くから栽培、利用され、灯火用にもされた。現在はインドに大規模に栽培されるほか、西インド諸島も産地である。ヨーロッパ諸国に輸出されて料理用の揚げ油として利用される。
[星川清親 2022年3月23日]