日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニッカウヰスキー」の意味・わかりやすい解説
ニッカウヰスキー(株)
にっかういすきー
ウイスキーの名門メーカー。竹鶴政孝(たけつるまさたか)がスコットランドに留学、ウイスキー醸造を学び、帰国後に寿(ことぶき)屋(現、サントリー)でウイスキー造りを試みた後に独立、1934年(昭和9)大日本果汁株式会社を設立した。ウイスキー造りは資金と年月を要することから、出資者を納得させるため、北海道余市(よいち)に工場を設け、当初はりんごジュース製造会社とした。モルトの熟成を待ち、1940年にニッカウヰスキーを発売した。1952年大日本果汁からニッカウヰスキーに社名変更、1954年に朝日麦酒(現、アサヒビール)が大株主となった。積極的投資と販路拡大を行い、1969年に朝日酒造を合併、1973年からスーパーニッカを主力商品とした。1989年(平成1)にイギリスのウイスキー蒸留所とフランスのブランデー蒸留所の経営権も取得している。2001年、アサヒビールが全株式を取得し完全子会社化した。資本金150億円(2008)、売上高603億円(2008)。余市の蒸溜所施設のうち、蒸溜棟ほか10棟は国の重要文化財に指定されている。
[中村青志]