出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…最初は空虚を意味するカオスが,ついでガイア(大地)とその奥底なるタルタロスが,さらにいわばいっさいの生成の根源力としてエロスが生じた。カオス(中性名詞)からは形なきものどものエレボスErebos(闇)とニュクスNyx(夜)とが,そして夜から輝く上天の気アイテルAithērとヘメラHēmera(昼)とが生まれる。他方ガイア(女性名詞)はひとりでウラノス(天,男性名詞)を生む。…
…また,神が新嘗(にいなめ)に物忌している女(巫女)のもとを訪れて神婚をしたり,ヨバイの際に若者が変装して娘のもとを訪れるのも夜であった。【村下 重夫】
[神話]
ギリシア神話では,夜ニュクスNyxは原古に混沌の淵カオスから生まれた偉大な女神で,その力は神々の王ゼウスによってもはばかられている。昼の女神ヘメラHēmeraは,ニュクスが自分の兄弟の地下の闇エレボスと結婚して生んだ愛娘で,母と娘は世界の西の果てにある夜の館に住んでいるが,一方が帰ってくるときには他方は館から出て行くので,2人はただすれ違うたびに挨拶をかわすだけで,いっしょにいることはけっしてできない。…
※「ニュクス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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