エレボス(その他表記)Erebos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エレボス」の意味・わかりやすい解説

エレボス
Erebos

ギリシア神話地下暗闇を神格化した存在ヘシオドス叙事詩神統紀』によれば,天地生成の初めカオスから夜の女神ニュクス男女対偶をなして生じ,ニュクスと交合してアイテルと昼ヘメラを生じさせたとされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エレボス」の意味・わかりやすい解説

エレボス
えれぼす
Erebos

ギリシア神話の「暗黒」の神。原初の暗黒または冥界(めいかい)を体現する。カオス(混沌(こんとん))から生まれ、自分姉妹である夜の神ニクスと交わって、「昼」の神ヘメラと、「輝く上天」の神アイテルをもうけた。ゼウスとティタン神族の戦いのとき、ティタンたちに味方したため、永遠の地獄タルタロスへ落とされた。

[小川正広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のエレボスの言及

【ギリシア神話】より

…最初は空虚を意味するカオスが,ついでガイア(大地)とその奥底なるタルタロスが,さらにいわばいっさいの生成の根源力としてエロスが生じた。カオス(中性名詞)からは形なきものどものエレボスErebos(闇)とニュクスNyx(夜)とが,そして夜から輝く上天の気アイテルAithērとヘメラHēmera(昼)とが生まれる。他方ガイア(女性名詞)はひとりでウラノス(天,男性名詞)を生む。…

※「エレボス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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