日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネズミゴチ」の意味・わかりやすい解説
ネズミゴチ
ねずみごち / 鼠鯒
Richardson dragonet
[学] Repomucenus richardsonii
硬骨魚綱スズキ目ネズッポ科に属する海水魚。日本列島、東シナ海、南シナ海各沿岸に分布する。体長17センチメートル余りになる。雄は成長すると体の側面の下半分に黒っぽい斜線が多く出る。雄の未成魚および雌の成魚は第1背びれに大きな黒点が1個ある。雌雄とも背びれの棘(とげ)が長く伸びない。沿岸の砂底のごく浅い所に生息し、底生小動物を捕食して生活する。産卵期は春から初夏にかけてである。近縁種にトビヌメリR. beniteguri、セトヌメリR. ornatipinnisがいる。いずれの種も、煮つけ、てんぷらなど食用にされる。
[中坊徹次]
[参照項目] |