改訂新版 世界大百科事典 「ネソケイ酸塩鉱物」の意味・わかりやすい解説
ネソケイ(珪)酸塩鉱物 (ネソけいさんえんこうぶつ)
nesosilicate
ケイ酸塩鉱物はその結晶構造を基にして6種に分類されるが,そのうちの一つをいい,オルトケイ酸塩鉱物と呼ばれることもある。構造の中で独立したSi-Oの正四面体(4個の酸素が正四面体の頂点の位置を占め,その中心にケイ素が存在)は他のSiO4四面体とSi以外の金属陽イオンを媒介として結合している。また四面体中のSiはAlで置換されていないのが特徴の一つである。すべてのネソケイ酸塩鉱物は比較的密につまった酸素イオンと金属イオンのパッキングを示している。そのため一般にモース硬度が高く比重も大きい。さらに,へき開などの方向性もそれほど顕著ではない。代表的鉱物としてカンラン石,ザクロ石,トパーズ,十字石,ヒューマイト,ジルコン,紅柱石,ケイ線石,ラン晶石などがあげられる。
執筆者:青木 謙一郎
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