日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノウゴウイチゴ」の意味・わかりやすい解説
ノウゴウイチゴ
のうごういちご / 能郷苺
[学] Fragaria iinumae Makino
バラ科(APG分類:バラ科)の多年草。根茎は太く、匍匐(ほふく)枝を伸ばして繁殖する。葉は3出複葉で頂小葉は広倒卵形、裏面はやや白色を帯びる。5~7月、10センチメートルほどの花茎を出し、径約2センチメートルの白色花を開く。花弁は7、8枚。花期後、花托(かたく)は肥大し、いちご状果となり、赤く熟し、甘い。深山や亜高山の向陽地に生え、鳥取県の大山(だいせん)以北の本州、北海道、および樺太(からふと)(サハリン)に分布する。名は、最初の発見地である福井・岐阜県にまたがる能郷白山(のうごうはくさん)に由来する。
[鳴橋直弘 2020年1月21日]