日本歴史地名大系 「能郷白山」の解説
能郷白山
のうごはくさん
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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福井・岐阜両県境にある山。標高1617m。権現山ともいう。両白(りようはく)山地南部にあたる越美(えつみ)山地の主峰で,濃尾平野からも遠望できる。山体の主部は花コウセン緑岩から成り,山頂部に準平原起源の平たん面を残す。付近の山塊は濃尾地震との関連で知られる根尾谷(ねおだに)断層をはじめ,多くの断層で分断されている。太平洋側と日本海側の分水界をなし,冬は多雪,夏も雨が多く,開析が進んで急傾斜地をつくる。白山信仰の霊山の一つであり,山頂に白山権現社が鎮座し,岐阜県側山麓の本巣(もとす)市の旧根尾村能郷には御旅所がある。ここで春の祭礼時に奉納される能・狂言は古い伝統を有し,国の重要無形民俗文化財に指定されている。山頂の北方,高台山との間の鞍部にある温見(ぬくみ)峠(1019m)は古来,越前・美濃両国を結ぶ主要路が通り,冬季に美濃に出稼ぎに行く越前の人々や美濃側の根尾・徳山両村の檀家をまわる越前の真宗僧侶の往来に利用された。峠道は道路整備が進まず一時さびれたが,国道157号線(金沢市~岐阜市)の改修により車の通行が可能となった。
執筆者:水越 允治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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