改訂新版 世界大百科事典 「ハッサム」の意味・わかりやすい解説
ハッサム
Childe Hassam
生没年:1859-1935
アメリカ印象派の中心的な画家。マサチューセッツ州ドーチェスター生れ。ボストンに出て木版画や油彩を手がけたのち2度にわたってパリに赴き,フランス印象派の影響を吸収。《グランプリの日》(1887)以後,軽快な筆触による印象派風の作品を生み,帰国後98年にはウェアJulian Alden Weir,トワックトマンJohn Henry Twachtman,ターベルEdmund Charles Tarbell,ベンソンFrank Weston Bensonらとアメリカ印象派のグループ〈ザ・テンThe Ten〉を結成し,その中心的存在として活動した。しかし彼らはフランス印象派とは違って対象の形を消滅させることはなかった。ハッサムの後期の作品は後期印象派への接近を示している。
執筆者:桑原 住雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報