はとバス

共同通信ニュース用語解説 「はとバス」の解説

はとバス

1948年に「新日本観光株式会社」の社名バス運行会社を設立翌年から東京都内の上野公園皇居前、浅草寺などを回る定期観光バスの運行を始めた。63年に「はとバス」に社名を変更。現在は、東京や横浜観光地中心多数の定期観光バスを運行し、外国人旅行者の人気も集めている。黄色車体トレードマークとなっている。

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知恵蔵 「はとバス」の解説

はとバス

株式会社はとバスは、東京都が筆頭株主で40%弱の株式を保有する定期観光バスおよび貸し切りバスの運行会社である。同社の黄色を基調としたボディーカラーで名高い定期観光バスおよびバスツアーを「はとバス」または「はとバスツアー」という。戦後の早い時期から都内観光を開始し、かつては、地方から東京にやってきた「お上りさん」が皇居や国会議事堂、東京タワーなどを巡る東京観光の代名詞でもあった。
同社は1948年に新日本観光株式会社として設立、翌年から貸切バスや都内定期観光バスの運行を開始した。63年に現社名に変更、2003年からは「都営バス」一部路線の管理受託も行っている。09年6月現在では,東京駅などを出発点に東京・横浜周辺で、登録車両数136台のバスを運行し,昼は新旧名所や観光スポットを巡る30~40コースの、夜は夜景やグルメを楽しむなどの約25コースの、定期観光バスツアーを常時運行している。
季節的な企画なども含めるとコースは年間200種類を数え、名所巡りにとどまらず、東京ディズニーランドを訪れるコースや、観劇や花火大会など各種の催事をコースに取り入れる他、一般には参観が難しい場所や著名な料亭などを気軽に訪れることができるコースもある。また、講談師が怪談の舞台となった場所を案内するツアーや、航空機の整備工場や水族館の裏側を知るツアーなど、テーマ性のある企画によって、観光客だけに限らず地元在住者にも広く人気を博している。外国人観光客向けには、貸し切りバスの運行だけでなく、イヤホンによって英語や中国語、韓国語などで解説するサービスがあり、英語・中国語で案内する定期コースもある。個人で訪れた外国人観光客と日本にいるその知人が一緒にツアーに参加することもでき、国際化の時代に即応したツアーとして好評である。
同社もレジャーの大型化、多様化などの波を受け、1990年代末には赤字に転落したが、顧客アンケートを積極的に検討するなどのサービス向上に全社で取り組み、新企画のツアーを次々と打ち出した。朝食は築地ですし、昼食は浅草で天ぷら、夕食は葛飾柴又でうなぎと、江戸の伝統料理をしにせ料理店で味わう「江戸味覚食い倒れツアー」は、毎回発売と共に完売となるほどの人気を誇る。不況下にあって「安・近・短」の流れにも合致し、2005年以来4年連続で年間利用者数が増加し、09年度には年間70万人に迫る勢いで躍進中である。

(金谷俊秀 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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