ハミギタン山地野生生物保護区(読み)ハミギタンさんちやせいせいぶつほごく

世界遺産詳解 の解説

ハミギタンさんちやせいせいぶつほごく【ハミギタン山地野生生物保護区】

2014年に登録された世界遺産(自然遺産)。フィリピンの南部、ミンダナオ島にある東ミンダナオ生物多様性回廊の南東部、プハダ半島を南北に走るハミギタン山に設けられた野生生物保護区で、2003年に国立公園に、2004年に野生生物保護区に指定されている。海抜75~1637mという標高差と高温多湿な気候から、フィリピンで最も多様かつ希少な野生生物が数多く生息している。低地には深い森林が広がり、高地には地衣類コケがよく繁茂し、標高に応じて異なる陸生生物・水生生物が豊かな生態系を育んでいる。フィリピンの国鳥であり絶滅寸前フィリピンワシやフィリピンオウムをはじめ、フィリピン固有の生物も数多く、特に両生類は75%、爬虫類は84%が固有種である。一方、ウツボカズラフィリピンマホガニーなど特殊な植物が数多く見られるほか、レッドラワン、ラン科のパフィオペディルム・アッドゥクツムなどその多くが絶滅危惧種であり、絶滅危惧植物・動物のうちの8種はハミギタン山のみに生息している。◇英名はMount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuary

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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