ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 ハミルトン=ヤコービの理論ハミルトン=ヤコービのりろんHamilton-Jacobi's theory K.ヤコービがハミルトンの正準方程式を解くために展開した力学理論。一般座標 qi(1,2,…,f) ,一般運動量 pi ,時間 t の関数であるハミルトン関数 H(qi,pi,t) において,pi をある関数 W(qi,t) の偏導関数 ∂W/∂qi で置き換えたものを -∂W/∂t と等置して得られる H(qi,∂W/∂qi,t)=-∂W/∂t をハミルトン=ヤコービの偏微分方程式という。この一階偏微分方程式は最初の時刻 0の正準変数 qi,pi から時刻 t の正準変数への正準変換を決める式であり,この方程式の完全解を知れば正準方程式の一般解が求められる。この理論は古典力学から量子力学への飛躍の一つとなったもので,時刻 0の状態ベクトルから時刻 t の状態ベクトルへの正準変換 (ユニタリ変換) を表す量に対するシュレーディンガーの波動方程式はハミルトン=ヤコービの偏微分方程式に類似した形をとっている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by