バチッチア(その他表記)Baciccia

改訂新版 世界大百科事典 「バチッチア」の意味・わかりやすい解説

バチッチア
Baciccia
生没年:1639-1709

イタリアバロック画家。本名ガウリGiovanni Battista Gaulli。バチッチオBaciccioともいう。ジェノバ生れ。1660年にローマに赴き,ベルニーニの保護をうけてローマの諸教会堂の大天井画の制作に従事盛期バロックにおける,光と色彩と短縮法を駆使したイリュージョニスティックな装飾画の代表者となった。とくにイル・ジェスー教会の天井画(1672-83)は,ローマ・バロックの最大のモニュメントの一つである。
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関連語 みどり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バチッチア」の意味・わかりやすい解説

バチッチア
Baciccia, Giovanni Battista

[生]1639.5.8. ジェノバ
[没]1709.4.2. ローマ
イタリアの画家。本名 Gaulli。 L.ボルゾーネの弟子で,1660年頃ローマに出てフレスコ画家および肖像画家として活躍。作風は G.ベルニーニや P.コルトナ様式を発展させたもので,装飾的で錯覚空間表現を実現し,ローマ・バロック絵画を代表した。主要作品はナボナ広場のサンタ・アニエーゼ聖堂のフレスコ画 (1668~71) ,ローマのイル・ジェズ聖堂天井画 (68~83) など。

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世界大百科事典(旧版)内のバチッチアの言及

【イル・ジェスー教会】より

…縦長の半円筒形ボールトひとつでまとめる幅広い身廊(単廊式,幅約20m)の構成や,アルベルティの手法を踏襲したファサードのデザインは,イエズス会の発展とあいまって,バロック期の教会堂建築に大きな影響を与えた。内部装飾は17世紀後半のもので,バチッチアによる天井画(ドーム,身廊)が名高い。【横山 正】。…

※「バチッチア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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