日本大百科全書(ニッポニカ) 「バドミントンの用語」の意味・わかりやすい解説
バドミントンの用語
ばどみんとんのようご
イン・プレー in play
サーバーの前方へのラケットの振出しで始まり、シャトルがネットやポストに当たり打者側に落ち始めるかコート面に触れる、またはフォルトやレットの発生で終わる間のこと。
インターバル interval
試合中の休憩時間。すべてのゲーム中、一方のスコアが11点になったときに60秒を超えないインターバルと各ゲーム間に120秒を超えないインターバルが認められる。
エラー error
ラリー中の失敗。打球をアウトにしたり、ネットにかけたり、空振り等をした際に使われる。スマッシュミスやサービスミスなど、ミスということばも同様の意味で使われる。
エンド end
ネットによって区切られたコート上の二つの地域のこと。試合は対戦する2チームあるいは2人がエンドを平等に交代しながら進められる。
グリップ grip
ラケットのハンドルの握り方。イースタングリップ、ウエスタングリップ、サムアップグリップなどがある。
ゲーム game
1試合のなかの一つの区切りのこと。1ゲームは21点で構成される。試合に勝つためにはこのゲームを二つとる必要がある。バドミントンではセットということばは使わない。
ゲーム・ポイント game point
もう1点とればそのゲームの勝者となるポイント。通常は20点目がゲームポイントになるが、20対20になったら2点差がつくまで延長される。
サービス・オーバー service over
サービス権が交代すること。サービス権はゲームの始まりを除いて、前のラリーで得点したサイドに与えられるので1回で交代することもあれば、連続で打ち続けることもある。
サービング・サイド serving side
サービス権をもっているほうのサイドのこと。
ショット shot
ラケットでシャトルを打つこと。コートのどの位置でどの方向へ、そして、どの強さで打ち出すかによって色々なショットがある。
ストリングス strings
ラケットヘッドに張る糸。バドミントンの誕生以降、羊の腸でつくられたガット(gut)が主流であったが、現在はナイロン製がほとんどである。
ストローク stroke
ラケットの振り方。バック・ハンド、フォア・ハンド、オーバー・ヘッド、サイド・ハンド、アンダー・ハンドなどがある。
スピン spin
ネット際でヘアピンを打つとき、ラケットのストリングスが張られている面をコルクの下に滑り込ませるように打ち、シャトルに不規則な回転をかけ返球しづらくする技術。
チェンジ・エンズ change ends
コートの二つのエンドを対戦者が交代すること。第1ゲーム終了時、第2ゲーム終了時(第3ゲームを行う場合)、第3ゲームでどちらかのサイドが11点に達したときに交代する。
チャンピオンシップ・ポイント championship point
もう1点とればその選手権の勝者となるポイント。通常は決勝戦で1ゲームとったあとの20点目がそれであるが、20対20になった場合は2点差がつくまで延長される。
ディセプション deception
相手を欺く行為。強く打つと見せて弱く打つ、ストレートに打つと見せてクロスへ打つなどの行為である。この際にフェイントということばが使われる場合も多い。
テンション tension
ラケットにストリングスを張る強さ。一般的に単位としてポンドが用いられる。メーカーでは適正ポンド数の範囲を示しているが、ハードヒッターほど強く張る傾向がある。
トス toss
試合の開始に際し、最初にサービスするかレシーブするか、あるいはコートのどちらのエンドで開始するかを決めるもの。コイン・トスが一般的だがじゃんけんの場合もある。
ハンドル handle
ラケットの部位でプレーヤーが手で持つところ。この部分の持ち方のことをグリップとよぶ。
フォーメーション formation
ダブルスでの2人のプレーヤーの陣形。コートを前後に分けるトップ・アンド・バック・フォーメーション、左右に分けるサイド・バイ・サイド・フォーメーションなどがある。
フォルト fault
競技規則で相手サイドに得点が入ると定められたプレーやシャトルの状況。試合ではフォルトがあったときと、シャトルがコート上の決められた場所に落ちたときだけ得点となる。
フライト flight
ラケットで打ち出された後のシャトルの飛行状況。
ポスト post
コートにネットを張るための支柱。通常はシングルス、ダブルスの別を問わず、ダブルスのサイドライン上に、上端が155センチメートルの高さにネットが張れるよう設置する。
マッチ match
シングルスおよびダブルスの試合のこと。マッチは1ゲーム21点で構成されるゲームを2ゲーム先取したサイドが勝者となる。1ゲーム・オール(1ゲーム対1ゲーム)になると3ゲーム目を行う。
マッチ・ポイント match point
もう1点とればマッチ(試合)の勝者となるポイント。通常は1ゲームとったあとの20点目がマッチポイントになるが、20対20になった場合は2点差がつくまで延長される。
ラウンド・ザ・ヘッド・ストローク round the head stroke
右利きのプレーヤーの場合、頭上左側でフォア・ハンドを使ってシャトルをとらえるときのストローク。ラケット・ヘッドがプレーヤーの頭上で半円を描く高等技術。
ラブ love
得点が0の場合の呼称。ゲームは主審の「ラブ・オール・プレイ」のコールで開始される。「両サイドとも0点、始めなさい」という意味。
ラリー rally
サービスで始まったシャトルがインプレーでなくなるまで続く打ち合い。1ラリーが終わるごとにどちらかのサイドに得点が入るので、この得点法をラリーポイント制とよぶ。
レシービング・サイド receiving side
サービング・サイドの反対側のサイドのこと。
レット let
主審がプレーを中止させること。線審や主審が判定できなかった場合や不測の事態が起きたとき等にコールされる。その前のプレーは無効となりサービスからやり直す。
レフェリー referee
大会の競技委員長。試合を管理する審判員は主審(アンパイアumpire)であるが、レフェリーは大会にかかわる全般を管理し、主審が判断できないことを判断する場合がある。
ワイパー・ショット wiper shot
ネット際でネットに触れないようにラケットを使い攻撃的なシャトルを打つときに使うショット。ラケットを車のワイパーのように横に動かしながら振ることからこうよばれる。