山川 日本史小辞典 改訂新版 「ばはん禁止令」の解説
ばはん禁止令
ばはんきんしれい
豊臣秀吉の海賊禁止令。秀吉は統一政策の一環として1588年(天正16)7月8日,船頭・漁師など船を操る海民の調査を命じ,彼らに海賊=八幡(ばはん)を働かないよう誓紙をださせた。秀吉は1585年7月関白に就任,9月3日唐入(からいり)を表明したが,海賊禁止は1547年(天文16)の遣明船を最後に断絶した日明貿易(勘合)の復活が意図されていた。秀吉は91年9月日本沿岸で中国船に乱暴を働いた黒船(ポルトガル船)に,日本の法すなわちばはん禁止令の遵守を命じ,翌年8月黒船に非分を働いた長崎の下級役人を成敗,日本に来航する異国船の安全と商売の自由を保障した。この禁令により16世紀の倭寇の活動は沈静化する。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報