日本大百科全書(ニッポニカ) 「バラクラフ」の意味・わかりやすい解説
バラクラフ
ばらくらふ
Geoffrey Barraclough
(1908―1984)
イギリスの歴史学者。オックスフォード大学、ミュンヘン大学で学び、ローマで研究、ケンブリッジ大学講師、リバプール大学中世史教授、ロンドン大学国際関係史教授、カリフォルニア大学、ブランダイス大学の歴史学教授、オックスフォード大学近代史教授などを歴任。その後諸大学で客員教授。中世史研究より出発し、西欧中心史観から脱却して、全人類史的視野からきわめて幅広い研究・著作活動を展開している。主著は『近代ドイツの起源』(1946)、『中世の帝国』(1950)、『転換期の歴史』(1955)、『思想と行動のヨーロッパ的統一』(1963)、『現代史序説』(1964)、『中世における東欧と西欧』(1970)など。
[中村英勝]
『中村英勝・中村妙子訳『現代史序説』(1971・岩波書店)』▽『前川貞次郎・兼岩正夫訳『転換期の歴史』(1969・社会思想社)』▽『宮島直機訳『新しいヨーロッパ像の試み――中世における東欧と西欧』(1979・刀水書房)』▽『松村赳・金七紀男訳『歴史学の現在』(1985・岩波書店)』