バラーズリー（その他表記）al-Balādhurī

改訂新版　世界大百科事典

バラーズリー
al-Balādhurī
生没年：?-892ころ

アラブのイスラム史家。バグダードで生まれ，教育を受けた後，シリアの諸都市を歴訪し学識を深め，のち《諸国征服史》と《貴族の系譜》を著した。前者は，イスラムの拡大の様態を地域別に叙述したものであり，後者は，イスラム史上の有名人の伝記集である。両著は，初期イスラム史に関する一等史料であるばかりでなく，公正な史料批判による叙述によって，イスラム史学史上でも特筆に値する。
執筆者：花田 宇秋

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

バラーズリー
al-Balādhurī， Aḥmad ibn Yahyā

[生]?
[没]892頃
アラビア (イラン系) の歴史家。生涯の大部分をバグダードで過し，アッバース朝の宮廷でも重んじられた。『諸国征服史』 Futūh al-Buldānはムハンマド時代からイスラム初期の大征服の歴史で文化，社会の面にも触れている名著。『名士たちの家系』 Ansāb al-Ashrāfもイスラム初期の有名人の事跡を伝えたもの。

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