バンセンヌ(読み)ばんせんぬ(英語表記)Vincennes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンセンヌ」の意味・わかりやすい解説

バンセンヌ
ばんせんぬ
Vincennes

フランス中北部、バル・ド・マルヌ県の都市。人口4万3595(1999)。パリの東に隣接し、パリ市域に属するバンセンヌの森Bois de Vincennesの北に位置している。機械、電気機械、電子、化学などの工業が盛ん。14世紀、フィリップ6世からシャルル5世時代に建設されたバンセンヌ城があり、シャルル5世がこの城で誕生し、1668~1784年には国事犯牢獄(ろうごく)とされた。歴史博物館、第一次世界大戦博物館、軍事史料館がある。

 バンセンヌの森は面積995ヘクタールに及び、1860年パリ市域となった。花園と園芸学校、競馬場をはじめとする各種スポーツ施設、国立スポーツ研究所やパリ第八大学がある。1931年に植民地博覧会が開催され、動物公園、植民地博物館(現、移民史博物館)が建設された。

高橋 正]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンセンヌ」の意味・わかりやすい解説

バンセンヌ
Vincennes

フランス北部,バルドマルヌ県の都市。パリ東郊の住宅・産業地区で,電子・写真・鋳物工業や電気機器などの工場があり,地下鉄でパリと結ばれる。バンセンヌの森 (行政上はパリに属する) やバンセンヌ城で有名。城は 14世紀バロア家のフィリップ6世により着工され,シャルル5世のとき完成。一時はイングランド王の手中にあり,イングランド王ヘンリー5世はこの本丸で死んだ (1422) 。 17~18世紀には刑務所となり,ナバール王アンリ (のちのアンリ4世) ,ミラボーらが投獄され,アンガン公はナポレオン1世の謀略により,ここで射殺された。フランスの磁器窯として有名なバンセンヌ=セーブル窯は 1738年にルイ 15世によりバンセンヌ城付属の建物で始められ,56年にセーブルの現位置に移った。人口4万 2651 (1990) 。

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