バンチュラ(その他表記)Vladislav Vančula

改訂新版 世界大百科事典 「バンチュラ」の意味・わかりやすい解説

バンチュラ
Vladislav Vančula
生没年:1891-1942

チェコ小説家劇作家,映画演出家。チェコスロバキアの両大戦間の芸術部門の指導者の一人で,美しい文体を駆使する作家として知られ,アバンギャルド運動の推進者。ナチスにより処刑された。初期の詩的な作品はやがて社会の状況を反映する作品へと変化し,30年代にはチェコ文学史上に残る名作をいくつも書き上げた。代表作には《パン焼きのヤン・マルホウル》(1924),《マルケータ・ラザロバー》(1931)のほか,《チェコ民族史絵巻》3巻(1939-40)などがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンチュラ」の意味・わかりやすい解説

バンチュラ
ばんちゅら
Vladislav Vančura
(1891―1942)

チェコスロバキアの散文作家、劇作家、映画監督。両大戦間のチェコ文化の指導的人物で、新しい芸術の表現形式を探し求め、チェコのアバンギャルドの中心人物。第二次世界大戦中共産主義者としてナチスによって処刑された。作品には初期の短編『パン焼きのマルホウル』(1924)、詩的長編『マルケータ・ラザロバー』(1931)、『チェコ民族史の諸情景』(1948)などがある。

千野栄一

資料 監督作品一覧

修学旅行 Před maturitou(1932)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンチュラ」の意味・わかりやすい解説

バンチュラ
Vančura, Vladislav

[生]1891.6.26. ハーイウオパビ
[没]1942.6.1. プラハ
チェコの作家,医者。近代芸術の方法を追求した作家で,共産主義の信奉者。資本主義の世界を告発した作品が多く,貧困,戦争,不条理の底に資本主義の悪を見出し,ナチスに抵抗を続け,非合法活動中捕えられて処刑された。代表作,小説『パン屋ヤン・マルホウル』 Pekař Jan Marhoul (1924) ,散文詩『マルケータ・ラザロバー』 Markéta Lazarová (31) ,『チェコ民族の歴史から』 Obrazy z dějin národa českého (48,未完) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android