バンデー・マータラム(英語表記)Bande Mataram

山川 世界史小辞典 改訂新版 「バンデー・マータラム」の解説

バンデー・マータラム
Bande Mataram

(1)インドの愛国歌。「歓喜して母を迎える」という意味で,母とはインドのことをさす。ベンガル小説バンキムチャンドラ・チャタジー(1838~94)の,ヒンドゥー教基底に据えた愛国主義を訴えた小説『アノンドの僧院』(84年)に含まれる。(2)ゴーシュパールが編集した新聞名(『バンデー・マータラム』,1906年創刊)で,民族運動急進派の機関紙的な役割を果たした。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンデー・マータラム」の意味・わかりやすい解説

バンデー・マータラム
Bande Mātaram

インドの第2国歌。バンキムチャンドラ・チャットーパーダーエ代表作『歓喜の僧院』 (1882) に含まれている。「母なるインドに栄光あれ」の意で,イギリス統治下のインドで民族運動が展開されると,さまざまな集会で歌われた。

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世界大百科事典(旧版)内のバンデー・マータラムの言及

【バンキムチャンドラ】より

… 思想的にはベンサム,ミルの功利主義,コントの実証主義など,近代西欧の思潮に強い影響を受けたが,晩年になるにしたがってヒンドゥー教への傾斜を深め,ヒンドゥー教を基底にすえた愛国主義の色彩を鮮明にする。小説《アノンドの僧院》(1884)に含まれた愛国歌《母を讃えるバンデー・マータラムBande Mātram》はインド独立運動の際の愛唱歌として名高い。宗教論《クリシュナ神の性格》(1886),《宗教真理》(1888)などは晩年の力作である。…

【パール】より

…1905‐08年のベンガル分割反対闘争でティラクやラージパット・ラーイらと国民会議派内の急進派として主導的役割を果たす。1906年に民族紙《バンデー・マータラムBande Mātaram》を発刊。08‐11年ロンドンで事実上の追放生活を送り,20年以降はガンディーの非協力非服従路線と対立し,民族運動の主流から遠ざかった。…

※「バンデー・マータラム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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