バンレルベルグ(英語表記)Charles Van Lerberghe

改訂新版 世界大百科事典 「バンレルベルグ」の意味・わかりやすい解説

バン・レルベルグ
Charles Van Lerberghe
生没年:1861-1907

フランス語で創作活動をしたベルギー詩人。1886年同志メーテルリンクらとともにパリの小雑誌《ラ・プレイヤード》によって詩壇に登場,次いでベルギー象徴主義運動の中心となったモッケルの《バロニー》誌にも協力した。89年リエージュで神秘的な散文劇《嗅ぎつける人々》を発表したのち,ブリュッセルに移り住んで哲学博士の学位を得た彼は,98年この地で処女詩集束の間の幻》を世に問い,さらに1904年には《イブの歌》を《メルキュール・ド・フランス》誌に発表した。この作品は,ベルギー抒情詩の傑作であると同時に,象徴詩派の自由詩の試みが収めえた最良の成果の一つであり,作者をベルギー象徴派中最も純粋な象徴派たらしめている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンレルベルグ」の意味・わかりやすい解説

バン・レルベルグ
ばんれるべるぐ
Charles Van Lerberghe
(1861―1907)

フランス語で書いたベルギーの詩人、劇作家ガンの中学在学中からメーテルリンクと親交を結び、1889年の戯曲『嗅(か)ぎつける人々』Les Flaireursでは不可視運命脅威を描いてメーテルリンクの象徴劇に影響を与えた。詩集『見え隠れする幻』Entre-visions(1897)は世紀末趣味を残しつつも光と生のあふれる自然を舞台に愛の喜びを歌った作品で、この主題は『イブの歌』(1904)にも貫かれている。

[遠山博雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android