改訂新版 世界大百科事典 「バーネイ条約」の意味・わかりやすい解説
バーネイ条約 (バーネイじょうやく)
1826年にイギリス東インド会社とシャム(タイ)王国との間に締結された通商条約。イギリス東インド会社は1817年以降ペナンを基地としてシャムとの貿易に進出したが,法的な保護はなかった。一方,シャムはナコーンシータマラートを基地としてマラヤへの進出を図り,21年にケダを侵略し,さらに24年にはセランゴールにも侵入しようとした。東インド会社はバーネイ(バーニー)Henry Burneyを派遣し,交渉の結果,シャムのケダに対する宗主権を認め,ペラクを緩衝地帯とすることとした。またバーネイはバンコクにおけるイギリス商人の通商の権利を確認し,シャムの支配下にあるマラヤ諸王国(ケダ,ケランタン,トレンガヌ)におけるイギリス商人の貿易活動の自由を獲得した。これによってイギリス東インド会社のマラヤ諸王国への政治的不介入という基本方針が確認された。
執筆者:生田 滋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報